琥珀糖つくっただけで感情が千切れた
十代の頃想像したキラキラの大人は
きっと今の自分じゃない。
苦しくて仕方がなかった十三歳。
あしたなんかこなければいいと思った。
不自由な中で眠って朝を迎えては、
人の噂も七十五日、なんて何周唱えたの。
全然しちじゅうごにちじゃなかったよ。
あしたなんかこなければいいと思って、
眠らなかった十九歳。
朝が来るのがこわくて
ただひたすら起きてた。
眠れない夜の存在だけが、
生きてることを証明した。
それでもずっと生きてきた。
たった一ミリの救いが、
ずっとずっと目の前にあった。
あるかないかじゃなくて
見えるか見えないか、
見つけられるかただそれだけだった。
全然キラキラしてないことを、
うつくしいと思える世界があってよかった。
ミロのヴィーナスの両腕が
教えてくれる希望があってよかった。
愛を妄想で塗り替えないで、
そこに自分が在るのなら。