他人のなにかで自分のソレ
朝起きて着替える。
腕を通した服の袖の丈の長さと、得ない不快感に浮き足立つ。
すずしいのさいこ〜。
約三十年生きたうえで学んだこと。
とりあえず今んとこ日本にいる限り四季が巡って暑い時期が続けばそれもいつかは涼しい時期へと変わる、
とはわかっていてもとあるタイミングでパッとやってくる予期せぬ朝の訪れに、にこにこせずはいられない。
散歩にでもいこうか
心なしか太陽も寝坊気味になった、朝の。
友人との食事や、ちょっとした遠出、新しいアイテムの購入。誕生日。
一ヶ月一週間いちにち後の予定を確認してはそわそわうれしいきもちになるのに。
きょうは失敗して落ち込んだ。でも来週は彼女に会えるからがんばるぞ。
前もってわかってれば、そう思えるのに。
淡々と過ごす毎日の中であしたを考えてポジティブになれない日が増えたのはいつからだろう。
もっと前なら、
最高の出会いがあるかもしれない、運命の人に会えるかも。
なんて思って、ただ仕事に向かうだけなのに最高の自分でいるために化粧して服に悩んで背筋を伸ばして、家を出る。
結局いつも通りにこにこ過ごしただけ。
それでも眠って、また朝が来る。
最高の自分を更新してね。
ちょっと前なら、
恋人にフラれた友人に、女の傷は女で癒せとか酒飲んで忘れようぜとか、
全然薬にならないことばをかけて、飲み続けて朝が来る。
その日の記憶は忘れても、酒と思い出は全然消えないってだれか教えて。
繰り返しても。繰り返しても。
今は、うーん、
過ぎた日を思ってもどうにもならないし、来る日を考えてもどうにもならないし、だったら今を…って思うのに、
今だけを見て必死に取り組もうとするとき「もっとあと先考えろよ」って頭の後ろのほうで声がするようになっちゃった。
人生は選択の連続で、その選択の練習も失敗も勉強もいっぱいしてきた気がするのに、いつも振り出しに戻るのね。
ここまで文字をならべて、
結局答えが出ないで一周しちゃった。
うんざりするけど、でもその思考もまるっと愛して。
自分だけはどうか自分の味方で。
堂々巡りで今日もいきます。
やっぱりすずしいのさいこ〜。