キラキラの汗とやさしいことば

 

 

四月の中旬、私が髪の毛をボブからショートにバッサリ切ったとき「男みたいだね。」と言ってくる子が多かった。

かっこいいと言ってくれる子もいたし、髪を切ったことにすら気づかない子もいた。

 

 

 

あるひとりの児童だけ「かわいいね」と言ってくれた。

 

実はこの子、いちばん最初に私が髪の毛を切ったことに気づいた(指摘した)児童。

 

気付いてくれたことがまずうれしかった。

そしてかけてくれた言葉のチョイスがキュートだなあと思った。

 

 

「褒めたら相手がよろこんだ」という経験がどう作用するのかわからないけれど、少なくとも私はうれしかったのでそれをわかりやすく表現した。

 

 

 

夏休みが明けて久しぶりにこどもたちに会った。

 

始業式やら何やらでこどもたちと過ごす時間は短かったけど、さっきの子が帰り際に言った。

 

「先生、髪切った?かわいい!」

 

 

あれ、切ってないけどなあ。むしろ伸びた。

でも久しぶりに会ったから何か変化して見えたのかな。

 

 

それでもうれしかった。

 

彼は髪を切った私に「かわいい」と言ったら喜んでくれた。という記憶があったのかも知れない。

 

私の顔を見てそれを思い出したのかも知れない。

 

もしかしたら、私の知らない彼のひみつの合言葉なのかもしれない。

 

 

 

「そうだよ。ありがとう。また月曜日ね。」

 

 

そう言ってさようならをした。

 

やさしい嘘をついたなあと思った。

 

 

 

二学期もがんばります!