あかんではないか
夏になる、やってられない暑さの味方は随所でひらかれるお祭り。
あんまり知らない人とも顔合わせてとりあえず飲んどきゃなんとかなる地域のちっちゃいお祭り。
昔は友人知人先輩後輩それらの親がいてなんだかあんまり…だったけど、この時期実家に帰ってきてふらっと寄って当時は飲めなかったお酒を買って飲む。
大体みんな顔見知り。
ねえちゃんとふたりで行けばこっちが知らなくたってあっちは知ってる、みたいになったりして。
そういう面倒な愛を軽くあしらえるようになったのも年の功。
そしてこのお祭りで忘れちゃいけないのは地域のじじばばのカラオケ大会。ではなく老若男女輪になって踊ろうアソレソレ盆踊り。
これってやるまでは少し恥ずかしいんだけど、一回メンバー入りするとそこそこたのしいし抜け出しづらい。
小学生のときに前にいた知らないおばちゃまに教えてもらった炭坑節、掘って掘って〜からのパターン化された動き。
ワンフレーズ覚えちゃえばこっちのもんてことで、頭からずっと離れず覚えてる。
盆踊りはもともとは仏教行事説、歌垣(特定の日時に若い男女が集まり、相互に求愛の歌謡を掛け合う呪的信仰に立つ習俗)の名残〜説など色々あるけど、ざっくりなんとなくイメージに近いのは平安時代、空也上人によって始められた踊念仏が、民間習俗と習合し念仏踊りとなり、精霊を迎える、死者を供養するための行事っていう感じ。
文字が多いとだるくなるね。
お経の代わりのノリノリダンス季節限定!
お盆て少しだけさみしい気がするのに、それを踊りで供養するなんてなんだか粋だなあ。
意味もわからず考えず踊ってた時間の方が長かったけど。
そんなポップな盆踊りだけど、町田康の小説「告白」で主人公が盆踊り会場に行って踊ってトランス状態になるシーンがあってね、
ソレを読んでからはなんとなく盆踊りって聞くたびにそのシーンばかりを想像しちゃって。
だからなんだって話だけど。
それくらい印象に残った告白。
ちなみにこの小説の題材は明治時代に実際にあった大阪河内地方の大量殺人事件で河内十人斬り事件なんて言われてる、よ!
なんだか私の思考はいつもいろんなとこにとんじゃってまとまらなくて脳みその引き出し全部あきっぱなしでとっ散らかってるような感じで自分でもうんざりするんだけど、私死ぬならお盆の時に死にたいな。お通夜とか告別式とかそういうのもなんもやらなくていいて思ってる。
けど、(だから?)どうせならお盆に死んでなんとなく自分を想ってくれる誰かがだらだら酒飲んでああめっちゃん死んじゃったなあいつばかみたいに炭坑節踊ってるんだろうな、その辺にいるんじゃねえの!そう言って地面に焼酎ハイボールぶちまけてくれ、なんて。
で、一体全体なんの話をしてたんだっけ。
あかんかった。
あかんかった。
どうにも憎めない熊太郎。
あかんかった。