ノンフィクション


夜明け前、いつも通りに目を覚ます。

 

お湯を沸かしてコーヒーを淹れて、ひと口飲んだら朝ごはんをつくろう。

同時進行でお弁当。

 

さっきまでやかんのお湯を沸かしてたコンロで今度は米を炊き、となりのひと口で何を焼こうかな。

奥のひと口でみそ汁をつくるのは決まっている。

 

 

 

まだまだ起きない家の人はそのままに、冷めたコーヒーをすすってながめるSNS

 

 

独身の学生時代の友人がキラキラして見えたり、

同じくらいの子どもがいるはずの友達がとってもしっかりして見えたり、

 

私は、ただ、ただ、毎日を見送ってるだけで、

なにもがんばっていない気持ちになって、少しだけ。

 

 

 

 

 

 

窓から差す朝日に連れ戻された現実で、起きてきたふたりにおはよう。

 

言って、用意してた朝ごはんを並べる。

 

 

焼き鮭、ごはん、豆腐のみそ汁、目玉焼き、麦茶。

並び終えたところで言われたオットの「パンじゃないのか〜」を無視してりんごの皮を剥く。

 

 

そりゃいつもはパンだけど。

 

ごはんだってじゅうぶんじゃん。

 

 

 

 

 

反抗したい気持ちも、ごめんねと無意味に謝ろうという気持ちも、そのふたつの自分を無視してりんごを差し出して。

 

 

 

片付けしながらおにぎりを口いっぱいに詰め込んで、飲み込んで、今日もまたいつもと同じ毎日が始まった。